葬儀ビジネスについて

葬式に参列するのは今回で2度目で勝手がよくがわかっていなかったので、今時の葬式なるものにいろいろ驚かされることが多かった。初めて葬式に出たのが祖父が死んだ時で、私は当時15歳。小さなお寺で何もかもが手作りと言う感じだったので今回との対比が鮮やかでした。

①建物について

つい最近できたばかりという斎場で、とにかく全てが新しい。「遺族控室」は12畳ほどの和室の部屋に棺を載せた超豪勢なワゴンが収容できるスペースが備え付けられている(最近はお棺は何人かで持って運ぶのではなく、ワゴンですいすい〜っと移動できるのだ。だから職員の人が知らぬ間に式のホールにお棺を移動させてしまい、だれもいないホールにぽつんと取り残されているのが2回ほど見られ、なんだかとっても悲しい気持ちになってしまった)。さらにバリアフリーのトイレ・お風呂・台所そして押入れには布団も入っていて、遺族が一晩宿泊できるようになっている。おじいちゃん、おばあちゃんに「ちゃんと眠れた?」と聞いてみたら「家のより布団もいいし、寒くないから寝坊しちゃったよ〜」となんともほっとさせる答えが返ってきた。なるほど家より眠れるほど快適にできているのだ。
祖父の時は1月の寒い中、寺の板の間でみんなぶるぶる震えて雑魚寝しながら線香替えてたなあ。

②遺影について
遺影といえば普通、黒ぶちの額に白黒写真が入っていて、白黒のリボンが上部にかかっているイメージありますよね?これが最近はカラーなんですね。大叔母さんの写真はいつ撮ったのかきれいな着物姿で背景はピンク色。母に「いい写真だねえ。ところでこんな着物の写真いつ撮ったのかな」と聞いたら、「あのねえ、実はこれ合成なんだって」と驚きの答えが・・・。首より下は別人だったのだ。えええ合成っすか・・・。なんか昔のアルバム引っ張り出して、この写真にしようかあの写真にしようか迷いながら遺影の写真を選ぶというイメージがあったのに、今では機械一つでちょちょいのちょいなんですね。

③火葬場について
祖父の時はかなり年季の入った火葬場で、学校の焼却炉みたいな感じの細長い炉の中にえっちらおっちらと男性陣がお棺を入れて、がちゃんと重い鉄の扉を閉めて鍵かけてはい点火という感じだった。煙突から煙がもくもくと出てて、ああ今灰になっているんだなという経過がよくよくわかって生々しかったのを覚えている。
ところが今回は建物のたたずまいからして2階建てのプリンスホテル。ここはロビーか!?と思わせるようなガラスのシャンデリアが天井からぶら下がっている部屋にいくつもの豪勢な扉が並んでいる。どうやらそれはお棺を炉まで運ぶエレベーターらしい。その前に遺族が並び、お棺がエレベーターに乗せられ、扉が閉まるまで合掌。炉までは行けないのだ。炉の前ではなく、エレベーターの前でお辞儀をするのがなんとも滑稽に感じた。
1時間後に再び呼ばれ、「収骨室」なるものに連れて行かれた。円形になっているこの部屋は「ここは今話題のヒーリングスペースですか?」というぐらい照明が落とされ、音楽が流れ、ちょうど骨を載せたワゴンのところにスポットがあたるようになっている。
火葬場の職員の作業服姿でやっと人間味というのが感じられたほどなんとも無機質な部屋だった。

④収骨について
祖父の時は、炉の扉を開けて引き出したら、理科室においてある骸骨の標本そのものの姿が現れたので本当にびっくりした。それぐらい骨が完全に残されていて、「ああ本当に死んじゃったんだな」と心底実感した。
今回も「また骸骨みるの嫌だな」と思いながらどきどきして見てみたら、なんとどっちが頭なのか分からないほど形が崩れ、ぱっと見骨なのか良く分からなかった。親と、「骨があまり丈夫じゃなかったからこうなったのかなあ」とか「焼き方が強すぎたんかなあ」といろいろ推測したけど、「恐怖心を和らげるために職員が砕いたのかなあ」という意見で収束した。

あ〜ここまで一気に書いたら疲れた。雑感についてはまた明日〜。