①8時半長浜発、ひたすら北へ。木ノ本町に入る前はひたすら湖岸を走る。真っ青な湖面には波がなく、小鳥の大合唱が一帯に響き渡る。カイツブリや鴨が音立てず湖面を進み、サギは微動だにせず浅瀬に立ち止まる。本当にGWなのかと疑いたくなるほど人がおらず、とても神秘的な風景が続いた。
②様子が一変するのは木ノ本町から賎ヶ岳へ向かう道へ入ってから。湖を離れ内陸部へ入ると、そこには…琵琶湖一周の中でも最難関の上り坂が2つ待ち受けているのだ。去年は音を上げてそのうちの一つは自転車を押して上ったけど、今年は頑張って漕ぎましたよ!1つ目は思ったよりかは楽に行けたけど、2つ目は1つ目でエネルギーを使ってしまったためか相当つらかった。「これを超えなけえばインドカレーは、タンドリーチキンは姿を現すことがないのだぞ…!」と呪文のように自らに問いかけ、溢れるつばを飲み込みながら、ぜいぜい言いながら、ふらふらになりながら前に進んだ。ふと脳裏に「ベルヴィル」のスーパーおばあちゃんが三輪車に乗って笛を吹きながらものすごい急斜面を登るシーンがよぎる。ばあさんに負けてられるか…。
③永原からマキノまでは再び湖岸を走る。水が澄んでとてもきれい。南湖とはやっぱ違うね。途中で自転車を降り、岸辺へ向かう。石ころが敷き詰められていて石投げで遊ぶも、全然跳ねてくれない。ぼちょん、ぼちょんとかっこ悪く湖底に沈んでいくだけであった。
④湖西に入り、念願のカレーにありついた後はひたすらJRの駅をたどりながら義務的に、機械的に進む。途中近江今津のとあるカフェに立ち寄る。ここは去年一周したときにも立ち寄った場所で、とても気に入ったのでいつかまた来ようと思っていたところだった。去年と同じようにケーキセットを頼むとなんと「去年もきてはりませんでしたか?」とマスターに声をかけられる。覚えていた…。チャリダールックの客が珍しかっただけかもしれないが、記憶にとどめていてくれたことが素直にとてもうれしかった。
⑤無言で進む。17時半ゴール。感慨を覚えるも表現できないぐらい疲労する。すぐお風呂に入りマッサージ。この時点でやっと「ああ一周したんだな…」と実感できた。